2008年01月21日

駅前の風景

男の想像力はフル回転していた。
雪景色を撮影したい気持ちが大いにあるが、天気予報では北部地方は雪模様である。
但馬地方で雪模様となると、どんよりとしたいかにも重そうな低い雲から大粒のボタン雪が吹き付けるイメージである。これでは風景は絵にならない確率が高い。

『さて、どうするか・・・』
右手の先にある、広めの盃にトクトク・・・と酌をする。
ツィー、グビリ・・・ウーム・・・主人公ではなく、風景のように人物が居る 『駅前の風景はどうだろうか』
人物を撮るトレーニングとしても良かろう。

和田山駅前の商店街辺りでバアサン、ジイサンを狙おうか。
毛糸のマフラーで深い目に頬かむりし、絣の綿入れに白い割烹着を着たコロコロとしたバアサンが買い物から帰る途中である。ここは、行く途中よりも帰りの方が絵になるだろう。バアサンが肘に掛けた花柄の買物袋が、これまたパンパンに膨れている、良く見ると二つ折りにされた岩津葱が少し顔を出していたら最高だなぁ。
足元は黒い長靴を履き、コウモリ傘を前方に傾げて横殴りに吹き付ける雪の街を、シッカリした足取りながらゆっくりと歩いている。背景の駅前にはタクシーを待つ人が二、三人傘の下で寒さに耐えて足踏みをしている。丁度その時、下り線に和田山止めの鈍行列車が入構してきた・・・。

と、男は再び傍らにある徳利に手を伸ばすのであった。

(続く・・・イヤ、続かないかなぁガーン


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Posted by 水鏡サ at 19:33Comments(0)居酒家噺